研究の全体像

 有機合成化学は、化学製品の「もの作り」の中心に位置します。当研究室は、伝統的な有機合成化学を引き継ぎさらに発展させるとともに、有機合成化学を基盤とした新たなサイエンスを切り開くことを目指します。人類と環境の調和、地球規模での環境保全に「もの作り」の立場から積極的に取り組み、高収率、高選択収率を実現する有機反応の実現に加え、限りある地球上の資源をいかに有効に活用し廃棄物を低減化するか、また、いかに目的物のみを効率的に合成するかを主題としています。また、人類の福祉と健康にも貢献すべく、主に医薬品合成に役立つ合成手法、特に、効率的な触媒反応、不斉合成反応の開発を行っています。さらに、エネルギーの問題にも取り組み、有機合成化学からの問題の解決に当たっています。  理学はものごとの普遍的真理を追究し、自然界のいちばん大元の法則や基本原理の解明を生業とする純粋科学でありますが、化学の分野では基礎と応用の距離は案外と短いため、当研究室は独自の基礎研究を展開するとともに、揺るぎない独創的な基礎研究に裏付けられた応用研究、さらには実用化研究をサポートすることにより、社会との接点も持つことも目指しています。

 当研究室では以下の6つのテーマを柱として、相互連携を行いながら研究を進めています。

・水を溶媒とする有機化学

・高立体選択的触媒開発

・新規固定化触媒の開発

・新規反応手法の開発

・フロー精密合成

・生物活性化合物の合成

左のタブから、それぞれのテーマに関しての詳細な解説ページにアクセスできます。