向山アルドール反応が開発されて40周年となりました

 有機合成反応における重要な基盤技術の一つとしてとして炭素ー炭素結合生成反応が有り、中でもアルドール反応は、Grignard反応、Friedel-Crafts反応等と並び基礎的な反応として大学の講義で教えられています。しかし、強塩基を使う古典的な方法では、交差アルドール反応の制御が困難であったり、脱水反応に伴う副生成物が得られてしまう等、多くの問題が存在していました。これに対し、1973年に「ケイ素エノラート」を用いる向山アルドール反応が開発され、この問題を一挙に解決することが可能となりました。

 現在、向山アルドール反応は、医薬品の合成プロセスに組み込まれる等、我々の生活に欠くことのできないものとなっております。一方で、「不斉合成反応への展開」や「温和な、クリーンな条件で反応が進行しないか」といった、より高度な技術へと昇華すべく、現在もなお発展し続けています。

 2013年、向山アルドール反応開発40周年を記念し、多くの特集が組まれました。上の図はChemistry An Aaian Journal誌8巻12号の表紙を飾ったものです。詳細はこちら

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Topics

  1. Development of Chiral Catalysts for Mukaiyama Aldol Reactions in Aqueous Media
  2. Iron- and Bismuth-Catalyzed Asymmetric Mukaiyama Aldol Reactions in Aqueous Media
  3. Mukaiyama Aldol Reactions in Aqueous Media