理学部化学科・理学系化学専攻学生からのメッセージ

大野 湧仁 (生物有機化学研究室)

化学専攻 修士課程 1年

僕の“科学”への興味の発端は子供の頃に日々触れ合っていた生き物への好奇心です。当時は虫取りに行ったり、図鑑を読んだりすることでその好奇心を満たしていましたが、次第にそれは学問的好奇心に変わっていきました。

-生き物は細胞が集まってできている。-

では細胞の中はどうなっているのか。

-細胞内にはタンパク質、核酸などの分子が存在する。-

では分子は何からできているのか。

-分子は原子からできている。-

では原子とは何か。

-原子は電子と原子核からなる。-

このように疑問は連鎖し次々と新たな疑問を生み出します。科学は自然を記述するための手法とよく言われます。上の例で当てはめると細胞レベルでの現象を説明したければ”生物学”が担うし、分子・原子レベルでは”化学”、原子の起源ともなれば”物理学”のように区分できると思いますが、固有の性質を持った原子の結合の組み替えで自然を読み解く化学が 明解で、納得でき最もよく僕の探究心を満たしてくれました。 理学部化学科はそんな“科学”としての“化学”を学べる学科だと思います。それは同じモチベーションを持っている人が集まっていることが大きいのではないでしょうか。さらに理学部には同じ動機で”生物学”、“物理学”…を学んでいる仲間がいて、そんな仲間と同じ授業を受け刺激し合える環境があります。これは理学部ならではだと思います。

そして、化学科のカリキュラムを通してそれを実感してきました。3年生ではほぼ毎日学生実験があり、4年生では1年間卒業研究に取り組みます。その卒業研究は単なる先輩方の手伝いや、プロトコルだけ渡されて言われた通りする作業ではなく、自分で考え教員、先輩方との議論を通して行う最先端の研究です。またこの学科には大規模な研究室が多く、実験設備、多くの優秀な教員方に恵まれています。科学をする上で必要な要素はすべて揃っていると断言できます。理学部化学科は研究を通して得られる感動を味わい、それを共有する仲間がいる学科です。ぜひ一緒に研究を楽しみましょう!


福永 隼也 (物理有機化学研究室)

化学専攻 修士課程 2年

どの学部でも当てはまる内容でしょうが,僕からは"大学の環境を存分に活用しよう"ということを伝えたいと思います.決められた数の単位を揃えて,毎日学生実験に出て,与えてもらったテーマで研究を行う,といったことは最低限のこととして取り組むべきでしょう.しかし,それ以上に学問を楽しむチャンスが,この学科,大学にはいくらでもあると思います.

学生実験ではまれに自由課題のようなものがあり,決められた課題以外に自分自身で実験を計画できました.また授業や学生実験で扱う内容は古典的なものが中心ですが,化学図書室に行って有機化学の最先端の総説が日本語で書かれた雑誌を読み,授業とは違った化学の面白さを知ることができました.さらに化学について深く知りたいと思い,3年生の夏休みや春休みには今の研究室で特別に研究を行わせていただきました.また4年生になって研究室に配属されてからは,研究テーマの本筋からそれていても自分の興味に沿って自由に実験を計画・実行することができ,このような実験の中からこそ面白い結果が出てくることもありました.

他にも,オフィスアワーを利用して最先端の研究を行っている先生と話すこともできますし,学部生でも雑誌会に参加し海外の研究者の講演を聞くこともできます.留学ができるプログラムも用意されています.化学に興味のある人は,この恵まれた環境を使わない手はないでしょう.積極的に化学を学ぼうとする学生が理学部化学科に来てくれることを待っています.


伊藤 駿 (化学反応学研究室)

化学専攻 修士課程 2年

理学部化学科といえば、「英語」というのが多くの人の印象だと思います。英語授業には様々な意見がありますが、私は英語でよかったと思っています。特に4年生で卒業研究を始めると英語の文献を読む機会が多く、授業で培った化学英語が大きく役に立ちました。はじめは慣れないかもしれませんが、英語で分からないところは日本語で質問したり日本語の参考書を読んだりして補うことができます。3年生の時期に1年かけてゆっくりと英語に慣れることができる環境は理学部化学科の大きな特徴であり、英語の苦手な人にこそ絶好の機会だと思います。

英語に関係ない話では、学生実験では各人に専用のスペースが与えられ、充実した設備とカリキュラムを通して広範な化学実験の基礎技術を習得することができます。講義では有機化学や無機化学といった中心となる分野に加えて、天然物化学や地球化学といった広範な化学について学ぶことができます。 理学部化学科では世界最高水準の研究環境に加えて、学生実験や英語授業、グローバルサイエンスコースなど多くの面で研究者になるための支援が充実しています。化学系の進学で迷っている方は是非理学部化学科へ。


若林 里咲 (生物有機化学研究室)

化学専攻 修士課程 2年

好きなことに夢中で頑張れる人って、素敵だと思います。この学科には、そうやって好きな研究に打ち込む人が沢山いますし、互いに切磋琢磨し合い学んでいく環境があります。化学という学問を追究するには最適な場所です。そうは言っても、斯く言う私は何か特定の興味や関心があってこの学科に入ったわけではありません。寧ろ、自分のやりたいことを模索するために、この学科を選びました。

理学部化学科の良さを端的に表すとしたら、「広さ」と「深さ」になるでしょう。 3年生までの講義と学生実験では、有機化学、無機化学、物理化学と、化学を幅広く学びます。ここまで多岐に渡る分野を実践も交えて学べる学科は数少ないと思いますし、化学の基礎を学習する上で大変貴重な経験になります。また、様々な専門分野に興味を持った学生が集まる学科なので、友人との交流からは新たな知見が多く得られ、非常に楽しいです。さらに、英語で行われる講義を聴いたり、留学生と共に実験をしたりする機会を通して、自然と英語に慣れることができるという点も本学科の特長です。研究の場でもそれ以外でもますます英語力が必要とされる中で、日常的に英語に触れるグローバルな環境に身を置くことができるというのは、化学科の大きな魅力だと思います。

一方、4年生からは研究室に配属され、実際に研究に携わります。多様な分野を学んでいた3年生までと大きく異なり、今度は自分の研究テーマを中心に専門分野を掘り下げることで、学びを深めていきます。研究を始めたばかりの頃はわからないことだらけですが、次第に理解が進んでいく喜びは大きく、新たな疑問や興味を掻き立てられるはずです。勿論、研究が万事順調に行くとは限りませんが、深い専門知識を持った研究室の先生、先輩方がサポートしてくださるので心配は要りません。研究を通して、自分にはなかったモノの見方を得ることができると思います。

特定の興味があろうとなかろうと、この学科で本当にやりたいことを探してみてください。自分の進む方向性を無闇に狭める必要がないのが、本学科の良さです。浅く広くでも、狭く深くでもない、「広く深い」世界を、この理学部化学科に入って是非皆さんにも感じていただきたいです。これから進学する皆さんが、心惹かれる何かに出会えますように。


中川 悠太 (構造化学研究室)

化学専攻 博士課程 1年

みなさんはSerendipity(セレンディピティ)という言葉を知っていますか?素敵な偶然に出会うことや、予想外の発見をすることをこう呼び、これまでの科学的発見の多くも、Serendipityな結果によると考えられています。

私が今所属している研究室との出会いもまさにSerendipityでした。当時は、アメリカの大学で化学専攻として日々勉強に勤しんでいましたが、卒業後の進路も含めて自分自身、本当に何がしたいのか確信を持てずにいました。そんな時、ひょんなことから合田先生の研究室がインターン生を受け入れていると知り、思い切ってお願いしました。当時は合田研で行われていた研究内容もほとんどわからず、何も知らない状態で飛び込みました。しかし、そこで出会った研究に私は魅了されました。最先端の技術開発を行うテーマもさることながら、自分の好きなことに粘り強く、諦めずに挑戦している人が沢山いる環境がとても魅力的でした。アメリカに戻ってからも合田研究室のメンバーと交流を続け、卒業後帰国し、今に至ります。

理学部化学科には、このような思いがけない、素敵な出会いがたくさんある場所だと思います。授業、学生実験、インターン、雑誌会セミナーなど、東京大学で行われている研究に触れる機会がたくさん用意されているので、積極的に活用して情報収集をしてみてください。化学科では、基礎研究から応用研究まで幅広い最先端の研究が行われており、思いがけないところから自分が本当に興味をそそられる研究、いままで知らなかったことや考えてもみなかったことが見つかると思います。

4年生になれば、本格的な研究生活の始まりです。もちろん、ただ漠然と偶然を待っているだけでは何も始まりません。論文を読み、仲間と論議を重ねながら、自分の研究テーマを深く掘り下げる必要があります。何をしていいかわからず途方にくれることもあるかもしれません。そんな時は研究室の先生や先輩方を頼ってください。世界中にいくつも大学や研究所がある中、同じ時に同じ場所で研究に励んでいる、ということもある意味ではSerendipityだと思います。周りの助けを借りながら様々な困難を乗り越え、なにか新しいことを見つけた先に、教科書を読むだけでは分からない化学の本当の面白さがあると思います。みなさんもぜひ一緒に化学を追求してみませんか?きっと皆さんにも素敵なSerendipityが待っていると思います。


増田 隆介 (有機合成化学研究室)

化学専攻 博士課程 1年

「化学」というフィルターを通して世界を見てみたい。それが、私が化学を志したきっかけでした。急速に発展していく現代において、身の回りにあふれるもの・情報の根幹にある物質・原理に目を向ける機会はとても少なくなっているのではないでしょうか。そのような日常では体感することが難しい、しかしながら日常を支えている物質・現象を実際に自分の手で作り、目の前で起こすということを化学は実現できると思います。

数ある化学系の進学先から私が理学部化学科を選んだ理由は、幅広く多様な研究室があるということです。有機化学、無機化学、物理化学、さらには地球化学、生命化学にいたるまで各分野において世界をリードする研究室が揃っています。1年かけて実際に各分野の実験を行うことができるカリキュラムも用意されており、自分のやりたい分野をしっかり見定めてから4年生で配属される研究室を選ぶことができます。さらに、研究室配属後も、学科内での研究室をこえたセミナーだけでなく、学科・各先生方が主宰される雑誌会において国内外問わず様々な分野の先生方(時にはノーベル賞受賞者の方も)の講演を聴くことができます。このように幅広い分野の最先端の研究に日常的に触れることができるのは、化学科の大きな魅力だと思います。

化学に興味のある人ならば満足できる環境であると思います。様々な情報が飛び交い、迷うこともあると思いますが、自分の頭というフィルターを信じて自分のやりたいことを強く持ってください。大学として東京大学を選んだ皆さんにとって、学部・学科の選択は今後の進路に大きな影響を及ぼす決断となることと思います。このメッセージがその踏み出す一歩の後押しとなれば嬉しいです。


松原 卓也 (量子化学研究室)

化学専攻 博士課程 1年

化学の一番の魅力は、その多様性だと思います。一方では生物学と、もう一方では物理学と重なります。社会に直接関わる研究と、極めて基礎的・専門的な研究が共存しています。学部3年生の授業では、講義・実験の両面からそうした多様な分野の基礎に触れることにより、視野の広さ、異分野への関心を養うことができます。それ以上に、より幅広く学べる方が楽しいはずです。

化学科の学問の幅広さは、決してその浅さを意味しません。各研究室では世界最高レベルの研究が行われています。学生は学部4年生に進級する際、所属する研究室を選択します。学部3年で触れた幅広い分野の中であなたが最も関心を抱いた分野について、世界の最先端まで学ぶことが出来ます。 理学部化学科では、化学を広く深く学ぶことができます。ぜひ一緒に化学を楽しみましょう。


道場 貴大 (革新分子技術 総括寄付講座)

化学専攻 博士課程 2年

今この文章を読んでいるということは,あなたは少なからず化学に興味があり,理学部化学科への進学を少しでも考慮に入れているのではないでしょうか.私が数多くある化学系の学科で理学部化学科を選んだ理由は,理学部的な精神にもともと興味があったからです.つまり,実用的な技術を開発して人の役に立ちたいという気持ちよりは,未知のことに対してなぜだろうという好奇心が優っていました.実際に化学科に進学してみると,学生も教員も皆好奇心が旺盛で,自分の好奇心もますます刺激され,本当に理学部化学科に進学してよかったと思っています.みなさんにもぜひこのワクワク感を実感してほしいです.

一言に化学科といってもここでは紹介しきれないほど様々な研究が行われているので,どのような研究室があって,どのような研究が行われているかを知りたい人は,まずは理学部化学科ホームページをチェックしてみましょう!


福本 通孝 (固体化学研究室)

化学専攻 博士課程 3年

理学部化学科での日常は、主に午前の講義、午後の学生実験、そして休み時間から構成されます。「化学」科と言えど講義内容は学際領域にまで広く亘っており、ある時は複雑な有機分子を扱っていたかと思えば、またある時は量子力学で出てくるような数式をいじっていたりします。興味を持った分野があれば、広くて綺麗な理学部化学科の図書館にふらっと行ってみるのもいいでしょう。午後の学生実験では、教養時代の実験とは一味違った雰囲気を楽しむことができます。ほぼ毎日行われる学生実験は化学科の特色ですが、そこでは本当に様々な種類の試薬・反応を扱います。数多く実験をこなしていく中で、テキスト通りに実験を進めてもうまく行かないことも多々あります。そこでテキストからはみ出て、なぜこの反応が進まなかったのか、うまく行く人と何が違うんだろう、などと考えたり議論したりするのもまた楽しいものです。講義と実験以外の休み時間はみな好き好きに過ごしています。

理学部化学科では、学科主催のソフトボール・サッカー大会が夏と冬に行われているので、それに向けて練習している人たちもいます。こういったレクリエーションを通じて、学部生から博士課程の学生、はてはスタッフまで幅広い人と知り合うことができるのは、理学部化学科の良さと言えるでしょう。

このような生活を通して、理学部化学科の学生は研究者として必要不可欠な幅広い知見、課題にぶつかっていく能力、コミュニケーション能力を徐々に身につけていきます。必要なのは少しの勇気と好奇心だけです。理学部化学科で一緒に化学をエンジョイしましょう。


花山博紀 (革新分子技術 総括寄付講座)

化学専攻 博士課程 3年

化学科を選んだのは,物理化学,無機化学,有機化学はもちろんのこと,地球化学や生物化学に至るまで最先端の研究を行う研究室が揃っていたからです.また,基礎研究から応用研究まで幅広く研究が展開しているように感じました.この特徴は,化学に興味を持っていたが何をやりたいかを絞りきれていなかった当時の自分には非常に魅力的でした.また,学部生の間に,それぞれの分野を専門としている先生から授業で学ぶことができるのは,今後の研究生活にとっても大きなアドバンテージになると考えました.

化学科では三年生までで基礎をしっかり学び,四年生で研究室に入ればすぐに一人の研究者として研鑽を積むことになります.実際,私は研究室に入ってすぐに,世界最高レベルの電子顕微鏡を自分で触って,自分で合成した分子を解析するという,ここでしかできない最先端の研究に携わることができました.このような学際的な研究は困難も伴いますが,学部時代に基礎を学んだ量子化学や有機化学の知識をさらに発展させ,研究を進めていく経験はなかなか得難く,ワクワクするものです.

なにより誰もやったことのない研究なので,自分で道を切り拓いていると実感できますし,その結果を学会などで発表して一流の研究者の先生と直接議論できる楽しさがあります.また,この電子顕微鏡を含めて各研究室の持つ最先端の装置を自由に利用できるシステムがあり,研究を進める上で自分が考えたことをすぐに実行に移せるようになっています.

他にも大学院生への様々な支援制度があり,生活費の援助だけではなく,海外訪問や企業見学に自主的に参加することができ,知見を広めるのに役立っています. 化学科はまさに自分の頑張り次第で無限に可能性を広げられる素晴らしい環境だと思います.皆さんも是非化学科で最先端の科学に挑戦してみませんか?


木村舜 (生物無機化学研究室)

化学専攻 博士課程 3年

皆さんは理学部化学科にどのようなイメージを持っているでしょうか。理学部は専門的過ぎて、偏っているというイメージを持っている人もいるかもしれません。しかし私は寧ろ、その「幅広さ」に理学部化学科の魅力があると感じています。学部の講義や実験では、有機化学や無機化学などの基礎的な化学分野に加え、生物学や物理学との境界分野まで学ぶことができます。さらに、学部四年生からは研究室に所属し卒業研究を行うことになりますが、各研究室では基礎研究を重んじながら様々なトピックを扱っており、幅広い選択肢の中から研究テーマを選ぶことができます。

このように、分野横断的な化学の知識に根差して、チャレンジングな研究に挑戦できる理学部化学科は、化学を広く、そして深く学ぶ場として最適な場所であると感じています。是非、各研究室のウェブサイトから研究内容を覗いてみてください。理学部化学科での学びには、きっと皆さんをワクワクさせるような化学の世界が広がっていると思います。