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高立体選択的反応を実現する新しい触媒の開発

 有機合成化学において、副生成物の発生を抑えて目的の化合物だけを選択的に合成する手法の開発は、省エネルギーや廃棄物を極力減らす観点からも非常に重要な研究課題である。特にそれらの手法を実現する触媒の開発は、近年非常に興味が持たれている。当研究室では、医薬品を合成するための光学活性中間体の効率的供給を指向して、望みのエナンチオマーのみを選択的に合成する触媒的不斉合成反応の研究を行っており、これまでにジルコニウムやニオブ、銅、銀等を用いる高機能不斉金属触媒を開発し、様々な触媒的不斉炭素—炭素結合生成反応へと適用している。最近では、地球上に豊富に存在し、安全・安価であるカルシウム等のアルカリ土類金属を用いる触媒的不斉反応の開発研究、より活性の高い触媒を指向した金属アミドを触媒として用いる反応開発、触媒量の強塩基を用いる低活性基質の触媒的反応開発を行っている。


Topics

  1. 金属アミドを触媒として用いる反応開発
  2. アルカリ土類金属を用いる触媒的不斉反応の開発研究
  3. 低活性基質の触媒的活性化法の開発
  4. 有機超強塩基を用いる触媒的反応の開発