測定にまつわるトピックス

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No. 49 元素分析に関連する文献(3) 作成日:2019.12.16



H. Small, T. S. Stevens and W. C. Bauman
Anal. Chem. 1975,47, 11, 1801-1809
"Novel ion exchange chromatographic method using conductimetric detection"

Smallらによるイオンクロマトグラフィーに関する初出とされている論文です.



No. 48 理学図書館ミニ展示「元素周期表150周年(8/19~9/27)」のご紹介(終了分) 作成日:2019.10.3



理学図書館で元素周期表に関する展示が行なわれていました。
https://www.lib.u-tokyo.ac.jp/ja/library/science/news/20190819
(許可を得てリンクを掲載しています.)




No. 47 [お詫び] 金属を含む化合物のフッ素分析について 作成日:2019.9.10



このほど,金属を含む試料のフッ素の分析値が最大1割程度大きめに見積もられている可能性があることが判明しましたのでご報告させて頂きます.上記試料につきましては,共存金属イオンの影響を除くため,前処理として試料溶液を陽イオン交換カートリッジに通しておりましたが,同処理によりフッ素のピークが増大することがわかりました.詳しい原因につきましては現在究明中ですが,妨害金属イオンを含む試料につきましては,当面,pHが変化する可能性のある従来の陽イオン交換カートリッジに代えてナトリウムイオンへと交換するカートリッジを使用することで対応したいと考えております.

該当する分析結果を報告した研究室の教授とご本人宛にお知らせを発送しましたので,ご確認ください.

以上、ご迷惑お掛けしまして大変申し訳ございませんでした。ご質問等ございましたら担当 坂本までご連絡いただければと存じます.情報収集や検討を継続して行ない,最善を尽くして参りたいと存じますので,今度とも何卒よろしくお願い申し上げます.


No. 46 ハロゲン・硫黄分析の検出限界と定量下限について 作成日:2019.3.26,更新日:2019.6.21


2018年7月に検量線の作成方法を変更したので,定性分析の考え方もダイナミックレンジに依存しない方法に統一しました.塩素分析の場合の数式に出てくる3倍という数はKeiserの考え方による値で,10倍という数は慣例です[参考文献1,2].その他の元素に関するノイズから計算する方法は[参考文献3]を参考にしました.
(1)原則として依頼試料については複数回測定を行っていないこと(←相対標準偏差は測定回数に依存する),(2)極低含有量の標準試料がないこと,(3)極微量領域は電子天びんの性能を超えている,ことから元素分析の場合は定量下限に関わる濃度域の相対標準偏差はあくまで参考値になってしまうことも考慮する必要があります.
よって,試料量を変化させて調整した溶液のイオンクロマトグラフィーの複数回測定(N=3)による相対標準偏差の変化について調べた結果はあくまで参考としつつ,以下のような基準で報告することにしました.

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<塩素分析>
試料を包み込むろ紙にわずかに含まれるため,他の元素と別の扱いをします.
ろ紙+パラフィルムのみを前処理した溶液のイオンクロマトグラフィー測定を3回行い,平均値と標準偏差を求めます.
・検出限界
→平均値+標準偏差×3
・定量下限
→平均値+標準偏差×10,相対標準偏差(参考値)はこのブランク試験(N=3)の結果から求めています.

<フッ素,臭素,硫黄分析>
ろ紙からは検出されないため,超純水のイオンクロマトグラムを保持時間1分ごとに区切って求めたノイズ高さの平均値を求めて基準とします[参考文献3].
・検出限界
→イオンクロマトグラフィー装置の制御ソフトウェアでピークが自動検出される値か、ノイズ高さの平均値の3倍の値.
・定量下限
→ノイズ高さの平均値の10倍の値.相対標準偏差(参考値)は試料量を変化させて調整した前処理溶液のイオンクロマトグラフィー測定(N=3)のデータから得たフィッティングカーブの式から算出しています.
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<追記>
上記の方法では単位がµSとなりますが,さらに検量線の式と試料量からµg単位の値を算出し、報告することにしました.

<参考文献>
[1]平井昭司 監修,日本分析化学会 編,『現場で役立つ化学分析の基礎 第2版』,2015年.
[2]上本道久,『分析化学における測定値の信頼性 考え方と記載方法』,日刊工業新聞社,2013年.
[3]DIONEX TECHNICAL REVIEW,TR015YS-0083,『イオンクロマトグラフ Q&Aその4 検出限界,定量下限値の求め方』.




No. 45 元素分析に関連する文献(2) 更新日:2018.12.5



入門講座 分析の信頼性を支えるもの 検出限界と定量下限の考え方 上本道久
上本道久,ぶんせき,2010(5),216-221



No. 44 国際度量衡総会において新定義採択 更新日:2018.11.19



産業技術総合研究所 計量総合センターによる速報



No. 43 ヨウ素分析 試行期間のお知らせ 更新日:2018.9.25


滴定法によるヨウ素分析の正式な受託開始に向け,試行期間を設けます.ヨウ素の分析を依頼する場合,以下の条件に当てはまる試料をご提供ください.

 ・ 10~20 mg 以上提供できる,空気中で安定な試料
 ・ ヨウ素以外のハロゲンや硫黄および金属を含まない試料



No. 42 vario MICRO cube 還元管の充填 更新日:2018.6.11

還元管の充填方法は下図に示した通りです.還元銅を30 cm以上詰め,シルバーウールが炉に入らない高さになるよう気をつけます.



石英ウール:5 mm
シルバーウール:20 mm
還元銅:300 mm

<参考文献>
1. 'Condensed Manual vario MICRO cube'.



No. 41 vario MICRO cube 燃焼管の充填 更新日:2018.4.17

燃焼管の充填方法は下図に示した通りです.シルバーウールは35 g程度,規定よりやや多めに詰めています.



石英ウール:各5 mm
クォーツチップ:18 mm
シルバーウール:55 mm
酸化銅:65 mm
コランダムボール:一層くらい
アッシュクルーシブルの底にフッ素除去剤の酸化マグネシウムを5 mm深さ程度敷いています.

<参考文献>
1. 'Condensed Manual vario MICRO cube'.
2. DKSH ジャパン株式会社 『vario MICRO cube 手順書』 (ver. 2015.0.1, soft_v3.1.10).