東京大学大学院理学系研究科附属 スペクトル化学研究センター
Research Centre for Spectrochemistry
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沿革・歴代センター長 研究の中心テーマ 最近の研究動向 化学専攻との関係 将来像


ー最近の研究動向ー

 

<レーザー分光化学> 

 近年のレーザー分光法の発展は,新たな非線型分光法の開発などをもたらす「光学過程への興味」と,分光法の開発によって初めて観測が可能になる「自然現象への興味」の双方に牽引されている。前者に関しては,現段階で,少なくとも紫外から可視領域においてはレーザー技術や光検出器の技術がかなり成熟してきた。今後はむしろ「自然現象への興味」の比重が大きくなると思われる。既存のさまざまな分光法を用いた顕微分光法が盛んに研究されているのも,この傾向の表れであろう。

 近年,世界の各地で,高度なレーザー分光法を研究手段として利用する人々が増え続けている。しかし,新たな分光法を開発するためには,分光学の原理を理解し,新たな分光法を発想し,システムとしての分光計を設計・製作し,信頼性のある測定を行い,的確な解析を行なわなければならない。これらの全てを行うことは,容易ではない。スペクトル化学研究センターは,自然現象を解き明かすための新たなレーザー分光法を開発することができる世界でも貴重な研究拠点である。


<放射光科学

 世界最高の高輝度放射光を用いて、物質科学・生命科学における最先端サイエンスを展開し、卓越した研究成果で世界をリードすることを目標にして昨年設立された「東京大学放射光連携研究機構」に我々は理学系研究科を代表して参画している。この機構が推進している「東大放射光アウトステーション計画」では、兵庫県にある大型放射光施設Spring-8に世界最高輝度の「東大ビームラインBL07LSU」を建設中であり、2010年からの稼働を予定している。

 我々はBL07LSU末端の一つのエンドステーションとなる「時間分解分光ステーション」の立ち上げに加わっており、フェムト秒オーダーの表面X線手法の実現と、超高速表面ダイナミクスへの応用を目指している。元素選択性や化学種選択性に優れたX線領域の分光法の特徴を生かして、超高速現象における局所構造や局所電子状態の時間変化を調べる新たな切り口によって、どのような世界が見えてくるか、今からとても楽しみである。

All Rights Reserved, Copyright 2007, research centre for spectrochemistry School of Science, The University of Tokyo