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岡林タイトル
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特任准教授 石谷暖郎
Haruro Ishitani
1998年 :東京理科大学大学院理学研究科博士課程修了
(博士(理学))、
科学技術振興事業団博士研究員を経て、
同年、東京大学大学院薬学系研究科助手、
2001年東京工業大学資源化学研究所助手、2002年講師、2015年より現職
E-MAIL :hishitani@chem.s.u-tokyo.ac.jp
TEL :03-5841-8343

特任助教 安川知宏
Tomohiro Yasukawa
E-MAIL :t-yasukawa@chem.s.u-tokyo.ac.jp
TEL :03-5841-4344

 グリーン・サステイナブル・ケミストリー(GSC)社会連携講座は、企業9社(昭和電工株式会社、東京化成工業株式会社、東京理化器械株式会社、東洋合成工業株式会社、日光ケミカルズ株式会社、日産化学工業株式会社、日本電子株式会社、富士フィルム株式会社、三井化学株式会社(五十音順))の協力の下、実用化を指向した低環境負荷の化学プロセスの研究開発を行うとともに、GSC分野をリードする国際的な人材の育成を目的として、設置されている。
 GSCは、環境への負荷の少ない持続的な社会を築くことを目的とする化学であり、現代社会において地球規模で極めて重要な概念である。本社会連携講座を、本学の有する最先端の化学を持続的社会の構築に結びつける産学連携による研究開発、および研究教育の拠点として期待される。
産官学の連携によるGSCの推進
 近年、地球規模の環境・エネルギー問題がますます強く認識される中、持続的社会の実現のためにGSC分野の研究が急速に発展している。特に環境負荷の少ない(=グリーンな)化学合成プロセスの開発は、GSC研究の要である。しかしながら、グリーンな化学合成プロセスの工業的な実用化は、革新的な触媒の開発、リサイクルシステムの確立、グリーンな原料や製品の開発、コストの削減など課題が多く、容易ではないのが現状である。このため、基礎化学から化学産業まで広く取り込んだ研究体制において、国内外のGSCの情報も迅速に取り込みつつ、体系的な研究開発を行うとともに、GSCの実用化に向けた産官学連携を強力に押し進めることが必要である。さらに、地球規模での持続的社会の実現に向けて、GSCの発展を担う国際的な人材の育成が不可欠である。本講座では、研究と教育の両面からのアプローチにより国内外のGSCを大きく推進することを目指している。
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最先端GSC技術の実用化研究
 本講座における研究開発の中心は、産官学連携によるGSCの推進である。最先端のGSC技術を活用し、反応原料の選択から反応後の分離操作やリサイクルも含めた総合的にグリーンな化学プロセスの開発を行っていく。世界的には未だ多くの国や地域が工業排水を適切に処理することなく河川等に放出しているのが現状であり、GSCの最先端技術をもって世界を積極的にリードし、GSCプロセスを次々と実用化する流れを作っていくことが重要である。理学系研究科ではグリーン化学合成のための豊富なシーズ技術を有しており、企業との連携によりシームレスな実用化を目指す。シーズ技術の一つであるグリーンな触媒技術はGSCにおける最重要技術の一つであり、グリーンな化学合成の実用化のためには高い触媒活性や耐久性などが求められる。このようなGSC研究は、有機化学を始めとして、無機化学、分析化学、物理化学、生物化学や他の学術分野も含む重層的な学際領域に位置し、広い学術分野における相乗的な効果が期待される。本講座では、種々の連携により個別の研究では見通すことの困難な新しい原理・技術を見いだす機会を創出し、GSCの発展に大きく貢献することを目指している。
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GSC分野の体系的基礎・先端研究
 GSCは化学や環境の分野のみならず、エネルギー分野、さらには関連する法律や政治・経済分野とも密接である。このため様々な学問領域との創造的な連携を行いGSC分野を体系的に研究することは、当該分野の発展さらには持続的社会の構築という目的において非常に重要である。本講座ではこのような観点においてGSC分野の総合的な発展を指向した体系的な研究を行っている。世界的には欧米を始めとする環境対応を目的とした化学物質規制の動きが急速に進んでおり、GSCにおいては世界標準を意識することが求められる。一方で、グリーンな化学プロセスの開発については、化学製品のライフサイクルを考慮して総合的にグリーン度を評価することが必要である。「グリーン」の基準は科学の新しい知見や社会状況によって変化しうるものであり、絶えず新しい技術・情報を取り入れ、あるいは生み出していくことが求められている。本講座ではこのようなGSCの世界的な動きを把握するとともに、今後のGSCを先導する概念を打ち出して行く研究を行っている。
 本講座は、このような連携活動・研究教育活動を通して我が国がGSCの分野で先端的な役割を担い、世界のGSCの推進に大きく貢献することを目指す。これを達成するため、産官学連携の強みを生かし、大学・企業研究者の専門的な技術や知識を集積して活動を進めて行く。
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主な参考文献

1. Multistep Continuos Flow Synthesis of (R)- and (S)- Rolipram Using Heterogeneous Catalysts, T. Tsubogo, H. Oyamada, S. Kobayashi, Nature, DOI 10.1038/nature14343.
2. Calcium-Catalyzed Bis-Hydrothiolation of Unactivated Alkynes Providing Dithioacetals, M. Huťka, T. Tsubogo, S. Kobayashi, Organometallics, 33, 5626-5629 (2014).
3. Asymmetric Carbon-Carbon Bond Formation under Continuous Flow Conditions with Chiral Heterogeneous Catalysts, T. Tsubogo, T. Ishiwata, S. Kobayashi, Angew. Chem. Int. Ed., 52, 6590-6604 (2013).
4. Synthesis of Glutamic Acid and Highly Functionalized Pyrrolidine Derivatives by Utilizing Tunable Calcium Catalysts for Chemoselective Asymmetric 1,4-Addition and [3+2] Cycloaddition Reactions, M. Hutka, T. Tsubogo, S. Kobayashi, Adv. Synth. Catal., 355, 1561-1569 (2013).
5. Toward Efficient Asymmetric Carbon-Carbon Bond Formation: Continuous Flow with Chiral Heterogeneous Catalysts, T. Tsubogo, Y. Yamashita, S. Kobayashi, Chem. Eur. J., 18, 13624-13628 (2012).