東京大学大学院理学系研究科化学専攻  無機化学研究室(西原研究室)

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研究テーマ

金属原子を生かしたインテリジェント分子システムの創製

 外部刺激に感応して性質を変化させる分子を創製し、それらを精密に組み合わせて集積することは、今までになかった概念による分子機能システムへと発展をもたらす。

 我々は、遷移金属元素の特徴を活かして、光、電場、磁場、化学環境などに敏感に応答する新物質を創製し、単分子、単結晶、複合系など様々な状態での構造、物性や機能を解明すると共に、それらを電極基板や金属ナノ粒子などの「界面」に配列制御して、分子素子を構築することを目指している。 また、遷移金属錯体やナノ粒子の特性を生かした新しい触媒反応を開拓している。

マテリアルの創製

π共役遷移金属クラスター・高分子錯体

 導電性高分子と呼ばれる一次元π共役ポリマーは、高い電子伝導性だけでなく、クロミズム、発光などの様々な特性を持っている。我々は、この導電性高分子に遷移金属錯体を融合した新物質の創製に取り組んでいる。例えば、独自に開発したメタラサイクリング重合法を用いてCoやRuをヘテロ元素とするπ共役有機金属高分子をはじめて合成し、光伝導性や金属核間の強磁性的相互作用の発現に成功した。

 また、可逆な酸化還元応答性や特異な光学特性を示すメタラジカルコゲン(S、Se)錯体を用いて異種金属原子同士のクラスター錯体が効率よく生成する方法を開発し、種々のヘテロ金属クラスター錯体の合成に成功した。それらの結晶構造と光学特性、電子特性、化学反応性との相関を総合的に解明している。

クロミック金属錯体

 アゾベンゼン、スピロピラン、ジアリールエテンなどの有機フォトクロミック分子を含む配位子の金属錯体を設計、合成し、新しい物性や現象の発現を研究している。例えば、アゾベンゼン共役ビピリジンコバルト錯体やフェロセニルアゾベンゼンにおける単色光とレドックス制御による可逆な異性化現象、2個のアゾベンゼンが結合した白金錯体における3色光での三重安定状態の可逆変換、配位力を光変換できる配位子の銅錯体を用いる光シグナル‐電気シグナル変換系(人工視覚)の構築、フェロセニルスピロピランにおける光記憶深さのレドックス制御、ビス(フェロセニルエチニル)エテンにおける光によるレドックスサイト間の電子相互作用の変換などを見出した。

 プロトネーション駆動による原子価互変異性体の生成を起こす系としてフェロセンーキノン型ドナー(D)・アクセプター(A)共役結合分子を発見し、その原子価互変異性体の安定構造が、ドナー・アクセプターの置換数、置換位置に依存して異なり、共役系の再配列を伴いFe(II)とFe(III)の構造変換を温度変化によって可逆的に起こすことを見出した。また、その結晶構造において分子間DA相互作用による分子スタッキングを起こして一次元カラム構造をとり、かつゲスト分子を含むナノチャンネル構造とゲスト分子が抜けた密閉構造との間の結晶構造変換を迅速かつ可逆的に起こす系を見出している。

新しい金属錯体触媒の開発

 遷移金属錯体触媒を用いるヒドロシランによるアリールハライドのシリル化反応を開発した。またオレフィン水素化反応の高活性触媒としてデンドリマー内包Rhナノ粒子を開発した。

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