東京大学大学院理学系研究科化学専攻  無機化学研究室(西原研究室)

ホーム

ホーム

お問合せ

〒113-0033
東京都文京区本郷7-3-1
Tel 03-5841-4346
Fax 03-5841-8063

研究テーマ

高効率Si-C結合生成

(1)遷移金属触媒を用いたSi−C結合の生成

 有機ケイ素化合物は光応答・電子輸送などの機能性材料や医薬品として注目を浴びている化合物群であり、その核となるケイ素−炭素結合反応は重要であるといえる。ケイ素と炭素のカップリング反応は有機金属試薬とクロロシラン類を用いた反応などがあげられるが、この方法では合成できる化合物が限られる、保護−脱保護が必要になるなど合成上の問題があった。
 当研究室ではヒドロシラン類をケイ素導入源として有機ケイ素化合物を合成する方法を見出している。一般的にヒドロシラン類は遷移金属触媒の存在下で還元剤として働く。一方、当研究室では特定のロジウム、パラジウム、白金触媒を塩基とともに用いるとヒドロシランを効率的にアリール化、アルキル化できることを明らかにした。このカップリング反応は高収率、単工程、基質適応範囲が広いという利点を持ち、多様な有機ケイ素化合物を容易に合成する方法として期待される。



Si-C bond formation


  1. Yoshinori Yamanoi, Hiroshi Nishihara, J. Org. Chem., 2008, 73, 6671-6678.→link
  2. Yoshinori Yamanoi, Takafumi Taira, Jun-ichi Sato, Ikuse Nakamura, Hiroshi Nishihara, Org. Lett., 2007, 9, 4543-4546.→link
  3. Aldes Lesbani, Hitoshi Kondo, Yusuke Yabusaki, Misaki Nakai, Yoshinori Yamanoi, Hiroshi Nishihara, Chem. Eur. J., 2010, 16, 13519-13527.→link
  4. Hikaru Inubushi, Hitoshi Kondo, Aldes Lesbani, Mariko Miyachi, Yoshinori Yamanoi, Hiroshi Nishihara, Chem. Commun., 2013, 49, 134-136.→link

(2)14族元素を導入した共役系化合物の合成と光物性

 ケイ素, ゲルマニウムといった炭素より重い14族典型元素を芳香族化合物に直接結合させると、母体共役系を拡張し蛍光量子収率を増大させるといった光物性の変化が観測される。これは、母体共役系のπ(*)軌道および14族置換基のσ(*)軌道が重なるためだと考えられている。しかしその有用性にも関わらず、(1)で述べたような合成上の制約から、14族元素を含む共役系化合物の研究は限られたものしかなかった。

 そこで当研究室では(1)で開発したクロスカップリング反応を用い、芳香環に14族元素を収率よく導入することに成功した。一例としてシロール・ゲルモールの合成(下図A)やトリス(トリメシルシリル)シリル基の導入(下図B)が挙げられる。これらの化合物は固体状態でも特異な蛍光特性を有しており、芳香環上の他の置換基を変化させることで特性を調節できることも見出している。


Si-C bond formation

図1

Si-C bond formation

図2


  1. Yusuke Yabusaki, Norikazu Ohshima, Tetsuro Kusamoto, Hitoshi Kondo, Yoshinori Yamanoi, Hiroshi Nishihara, Chem. Eur. J., 2010, 16, 5581-5585.→link
  2. Aldes Lesbani, Hitoshi Kondo, Jun-ichi Sato, Yoshinori Yamanoi, Hiroshi Nishihara, Chem. Commun., 2010, 46, 7784-7786. →link

Page Top